
理事長 宮田 知秀
石油精製・石油化学等を組み合わせた「石油コンビナート」は、我が国の製造業発展の礎として、高度経済成長を支えてまいりました。
しかしながら、経済のグローバル化進行に伴う経営環境の激変により、我が国石油コンビナートは厳しい国際競争に晒されており、これらに対抗できる強靭な競争力を確立することはもちろんのこと、カーボンニュートラル社会の到来に向けた取り組みが強く求められております。
私ども 「石油コンビナート高度統合運営技術研究組合(RING)」は平成12年5月に設立以降、経済産業省の支援を受け、国際競争力強化によるエネルギー・素材の安定供給を目指して「コンビナート・ルネッサンス事業」を展開してまいりました。
RING設立からこれまでの20年を振り返り、石油コンビナートの技術開発事業等への取り組み、学会等における成果の公表のみならず、コンビナートにおける企業間における資本の壁を乗り越えた連携により、我が国石油・石油化学産業における国際競争力強化、経営革新に大きく貢献してきたものと考えております。
国内石油需要の減少、中東やアジアで新増設される大規模かつ最新鋭の石油・石油化学コンビナートとの競争が激しくなる中、昨今の世界的なカーボンニュートラルの動きに対応すべく、循環型社会・脱炭素に向けて先進的な取り組みを行う海外コンビナートの調査や地域毎の石油・石化製品の需給バランス試算等を踏まえ、日本の石油コンビナートのカーボンニュートラルに向けた将来像について議論を行うなど、新しい時代の競争力強化に向けた取り組みを行っているところです。
RINGは、この2022年3月まで経済産業省資源エネルギー庁主催の「カーボンニュートラルコンビナート研究会」に参加するなど、カーボンニュートラルに向けて国や地域、企業との連携をさらに進化させていく所存です。
関係者の皆様におかれましては、引き続きご指導・ご支援のほどお願いいたします。