マルチエネルギー・素材導入によるカーボンニュートラルコンビナートへの革新可能性検討

調査期間

令和5年4月~令和6年3月

調査目的

 世界情勢を俯瞰しながら、石油精製、石油化学、化学、鉄鋼、その他製造業が集積する日本の石油コンビナートが国際競争力を保ちつつ、低炭素社会に向けてカーボンリサイクル技術やグリーン化技術などの最新技術を取入れることによって、カーボンニュートラル時代にふさわしいコンビナートへ持続的に変革していくための連携事業を創出・促進する政策立案に役立てることを目的とする。

調査結果概要

 ロシア・ウクライナ紛争が長期化する中、エネルギー・経済の分断化が深刻化し、世界は改めて国家エネルギー・素材の安全保障の重要性を再認識しつつある。特に欧州においては、ドイツを筆頭にロシアによる天然ガス供給問題が浮き彫りになることに加え、環境原理思想との整合性を求めて、出口の見出しにくい経路に突入している。環境政策では欧州は世界のリーダー格であるが、今や同経済体で環境対策を推進するエネルギー関連企業において、国が指し示す方向と国民生活とのアンバランスに苦悩する姿も見え始めてきている。一方、世界経済の分断化に、漁夫の利の如く、ロシアからの安価な地下資源を享受する中国、インドはその恩恵を最大限生かし、彼らの生産ネットワークを強化し、自国産業の国際競争力を高めてきている。近隣国のこのような活動は我が国経済に大きな脅威であることは間違いない。また、世界最大の経済規模を有する米国は、その豊富な資源を背景にIRA法を設置。自国の産業育成、または自国への産業誘致を目論み、同国の経済ステータスをゆるぎないものにしようと目論んでいる。
 それらの狭間にあって我が国は、欧米が主導する環境問題に同調しながらも、一方で経済優先政策をとるアジア各国との経済競争にさらされている。このような中にあって、日本の舵取りには今後一層の慎重さが求められている。

 本稿においては、こうした世界情勢を現地踏査も含めてミクロの視点でとらえ、その事象を列挙し、マクロ情勢との整合性を取りながら、分析を進めてきた。また、我が国の石油、石油化学産業の生産品の需給バランスをモデル化し、短期的なCO₂排出量予測も実施し、環境面における将来課題を明確化させている。またこれら外部環境、国内情勢を踏まえてカーボンニュートラルを目指した道程を模索。併せて、組合員に向けて今般10箇条の活動指針も取りまとめている。

本稿の調査報告構成は以下の通りである。

1.調査体系と取り組み
2.ウクライナ侵攻の長期化と世界情勢
3.アジア圏コンビナートの国際競争力強化およびカーボンニュートラルトランスフォーメーション
4.米国の国際競争力とカーボンニュートラルへの取り組み
5.欧州の国際競争力とカーボンニュートラル拠点整備の並行進行
6.全国及び地域別の石精石化統合モデルによる2027年度需給試算結果と検討
7.国内外のカーボンニュートラルに向けた近年の開発及び社会実装の状況
8.9地区カーボンニュートラルコンビナートの2023年版ロードマップ
9.全体のまとめと今後の展開

※本稿は本組合に所属する組合員を対象とした調査報告書であり、一般には公開しておりません。

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